カナダでの初めての就活

   20年以上も前の昔です。カナダに渡航する直前、私は当時、台湾に仕事で済んでいて、台湾から日本に1週間ほど帰国してから、バンクーバーにやってきました。バンクーバーに来て学校に行く予定もお金もなかったし、中国語圏よりも英語圏のほうが、仕事探しは簡単だろうと、10万ほどしか持たず、就活をする前提でやってきたのです。10万円は最初の3日で2泊のホテル代、それから住居の頭金で見事に消えていきました。日本で用意してきたものは、すぐに動けるように英語の履歴書100枚(実際に紙にコピー)、淡いピンクのブラウスです。

 

  まずは、そのピンクのブラウスでショッピングモールに行き、端から順番に履歴書を配っていきました。絶対に何とかしなくては、スタート地点に立たないという思いで、まあ、知らない土地と、たいしたことのない英語でよく頑張ったと思います。あるのはガッツだけですね。。そのかいあってかどうか、和食器にお店が定員さんを探していて、次に日からトレーニングに来てくださいと、まずは、仕事を見つけることができました。

 

   後日談ですが、この仕事1週間ほどで、ほぼ首になってしまいます。理由は、レジの打ち方がさっぱりわからなかったこと。私よりも若~い 十五、六歳のスーパー勤務経験のある彼女は見事な手さばきで打てるのに、私はもたもた。。。しかもカナダに来たばかり過ぎてコインを判別するのに時間がかかりすぎる。。0.25ドルと1ドルのコインの見分けがとっさにできす、やっぱりもたもた。。。そのさなかは、私はなんて、どんくさいんだろう、とかなり落ち込んだものです。

   

        当時は、いわゆるワーホリビジネスが今よりもさらに盛んな時期で、日本からくるほとんどの若者は、ワーホリエージェンシーが、一気に数百人をバンクーバーに連れていきているような状況でした。ま、添乗員付きのでっかいツアーみたいな感じで渡航ですね。今振り返ると、お金もサポートも、たんまりと持っている他の日本人の人たちを知りながら、がむしゃらに、孤独で頑張っていた自分に、横に行ってハグしてしてあげたい。そして、お疲れ様って声をかけてあげたい気持ちです。

 

  そして、もしかしてそれは、20年たった今も、たいして変わっていなくてまだ続いているのかもって思うと、怖くもあり、せつなくもあり。。。、一息つくのを、忘れないようにしようと思う今日この頃です。